「僕は誰のことにも執着できない」

「どういうことですか?」

「あー、なんでもない」

「なんなんですか」

「ところで、君は今いくつ?」

「知ってどうするんですか?」

「そりゃあ、なんというか。まあ、いいか」

「はあ、煮え切らない人ですね」

「執着しないからさ」

「それじゃあどうぞ、このままどこかへ流れ去ってください」

「それもそうだね、さようなら」

「ええ、それでは」

「いずれどこかで」